<住宅のコツ>気密と換気と通気
お世話になっております。今回のお話は気密と換気、通気の関係性についてお話していきます。
住宅展示場などで大手ハウスメーカーが高気密などを売りにしているのを目にしたことがあると思いますが、気密は住宅において大変重要な役割があります。
高気密であるとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
☆メリット
断熱性能が高くなる、防音性が高くなる
★デメリット
結露しやすくなる(それによる内部劣化やカビの発生、虫害なども引き起こされる)
簡単にメリットとデメリットをあげましたが、デメリットには対策が必要で大抵はセットで換気扇などで対策している場合が多いです。また壁内部の通気性(後述)なども関係があります。鉄筋コンクリート造では高気密な物件が多く、木造などで高気密にする場合は気密フィルムを断熱材とボードの間に入れることが多いです。建売住宅ではそこまでの仕様をするメーカーはほぼないので、注文住宅ならではのオプションと言っても過言ではありません。
換気とは?
換気と聞いて窓を開けたり換気扇を回すことがイメージされると思いますが、実は建築における換気とは大抵シックハウス症候群対策の24時間換気を指すことが多いです。この意味はわからなくてもいいですが、24時間換気や常時換気とスイッチにシールが張ってある換気扇は24時間ずっと回しておかなければならないことは覚えておいてください。切ったりつけたりで問題が起きるかというとそういうわけではありませんが、換気扇も意味なく設置されるわけではないのです。住宅における換気は第一種換気と第三種換気が多いです。違いは第一種は吸排気の両方を機械を用いて行い、第三種は排気のみ機械を用いる点です。当然ですが第一種のほうが換気効率はよく、熱交換式という温度調整して換気する装置もありますが高価です。コストが気にならない方以外は第三種で問題ないと思います。
通気
通気は壁内や隠蔽箇所における空気の換気についてを指す場合が多いです。木造では通気はかなり重要な役割を果たしており、結露や断熱などにも大いに影響を与えます。通気は基礎内部、外壁、屋根において主に行われ自然な空気の流れを利用します。基礎でいえば基礎パッキンという材料を使い、土台と基礎の間に空気の通り道を作ってあげます。そうすることにより床下の通気をはかることができ、湿気がたまって土台や柱などの木材が腐食する確率を減らします。壁の内部にも通気層というのを設けます。基本的な壁材であるサイディングにおいては胴縁や通気金物で通気層を作ります。その空気は上部の軒か棟で換気します。軒換気は軒先のみで天井内部及び壁内部の換気を図るもので、棟換気は屋根の頂点などに金物をつけて換気することが多いです。軒裏や小屋裏の適切な換気は熱や湿気を外に逃がしたりするため、住宅を長持ちさせることにつながります。
いかがだったでしょうか?気密、換気、通気について書かせていただきました。通気を意識している工事店は家のことを考えていてしっかりしていると思います。高気密・高断熱を推しているメーカーさんは多いですが、通気や換気にどれぐらい力をいれているかも見たほうがいいですね。